おがた林太郎個人ブログ

治大国若烹小鮮

ある助言

 某省の政務官になった方から、「何か気をつけておいたほうがいいことある?」と聞かれたので、私から一つだけ僭越ながら「決裁権を持つ政務官になったほうがいいですね。省としての所掌事項のうち、特定テーマを切り出して、そこを(大臣の指導・管理の下ではあるけども)事実上専権を持って担当する方がいいと思いますよ。」とお伝えしました。ちょっと分かりにくいので、説明します。


 これまで政務官のポジションの方は決裁権を持っていないことが多かったように思います。私のいた外務省では、副大臣は意思決定上、決裁権を有していましたが、政務官はそのプロセスには入っているようなないような、微妙な立場におかれていました。組織学上は、これを「ライン」と「スタッフ」と言い方をします。副大臣はラインだけど、政務官はスタッフだったということです。


 正直なところ、これまでは政務官でバリバリ所掌事項を持ってやっている人はいなかったと思います。ラインではないので、どちらかというと散発的に生じる用事をこなしているくらいの感じでした。かつて政務次官というのが「盲腸」と呼ばれていたことがありましたが、それに近かったのではないかと思います。


(ちなみに余談ですが、当初、外務大臣政務官というのは政治家には全く人気のないポストでした。大した事業をやっているわけでなく、地元との関係で力を振るえることもないことから不人気でした。それが徐々に「それほど悪くないポストかも」と人気が出るようになりました。その理由は「テレビに映る機会が相対的に多い」ということがあったのです。外務省は何か出来事があると、よくテレビに映ります。政務官に特命事項として役割が振られることも少なくありません。その結果、テレビに出ることができるというメリットがあったわけです。恐らく、政務官クラスでテレビに出る可能性が一番高いということで、(それでも超人気ではありませんでしたが)それ程悪くはないポストという位置づけになっていきました。)


 これから政治主導をやっていこうとすると、大臣がすべてを総覧していくことは難しいでしょう。それを所掌事項の重みに応じて、副大臣、政務官に明確に切り分けて振っていく方がいいんだと思うわけです。その切り分けられた所掌事項のうち、大臣決裁とするかどうかは、それぞれの副大臣、政務官が政治的に判断するということにしておくわけです。


 私がイメージしているのは、かつて住んだことがあるフランスです。あの国は大臣(ministre)、担当大臣(ministre delegue)、閣外大臣(secretaire d'etat)という仕分けになることが多いです。今のフィヨン政権では担当大臣のポストがなくて、大臣と閣外大臣だけになっています。具体的に言うと、クシュネール外相の下には、経済協力及びフランス語圏担当と欧州担当の二人の閣外大臣がぶら下がっていますし、ラガルド経済・産業・雇用相の下には、産業担当、雇用担当、対外貿易担当、商業・中小企業担当の四人の閣外大臣がぶら下がっています。


 なんとなく、今の機構上もそういうふうにした方がいいんじゃないかと思っています。ともかく、大臣だけではやれませんし、折角の新政権で政務官になられた先輩議員も思う存分力を振るいたいのだろうと思うわけです。その時に、これまでの政権と同じような政務官の扱いだと失望感は大きいでしょう。


 例えば、(大した知恵もないのですけど)法改正が必要ですが、経済産業大臣政務官を資源エネルギー担当、中小企業担当として、それらの所掌事項については基本的には政務官が主たる政治的責任を負い、真に必要な部分のみ政務官が大臣決裁を求めるくらいにしておくのがいいだろうと思うわけです(もっと小さな、しかし重要な部分を切り分けるということでもいいのかもしれません)。それくらいにしておかないと、大臣に負担がかかり過ぎて、結局目が届かないということになりかねません。


 若干、分を超えたことを書いているような気もしますが、まあ、一年生議員の戯言ということで。