治大国若烹小鮮
国会改革
国会で予算委員会に出ていて、「まあ、そうなっていることは分からんではないが、止めた方がいい。」と思うことが幾つかあります。率直に書き遺しておきます。
● 「予算」委員会
これ程、予算のことを議論しない予算委員会は世界でも珍しいのではないかと思います。予算に無関係ではないけども、非常に関係が薄い話に終始している時がかなりあります。真に予算の中身について議論しているのは、贔屓目に見ても全体の3~4割程度でしょう。人によっては15%くらいに見えるかもしれません。質問者の後ろにいる私が言うのですから間違いありません。
これには理由があります。まず、「予算というものはお国の政治、行政のありとあらゆることに関わる」というところがスタートです。それ自体は非常に正しいです。予算があって、国家制度は動いていきます。そこから、突然論理は飛躍し、「だから、何を聞いてもいい。」ということになるのです。
この論理展開、どう思われますでしょうか。私は素直に「おかしい」と思います。やはり、国の予算を審議する場だという前提があるわけでして、そことあまり関係ない議論をタラタラとやるのは本義に反するでしょう。
長く国会にいると「予算委では何を聞いてもいい」という習慣に慣れてしまいます。私は「予算委では、国の予算に深く関わることは何を聞いてもいい」という常識感を持ち続けたいと思っています。
● 全大臣出席
予算委の基本的質疑、締めくくり総括質疑、重要法案審議等では、「全大臣出席」が求められます。しかし、殆ど関係のない質疑を聞かされるために国務大臣がただただ座っていることが多々あります。普通に見れば、ただの時間の無駄でしかなく、もっと言えば国益を損なっています。
理屈は「政府は国会に予算審議をお願いしているのだから、全大臣が出席してその姿勢と敬意を示すべき」というようなことだろうと思います。そんな建前のために、本来の業務に専念すべき国務大臣を国会に過度に拘束しすぎることは意味のないことです。
勿論、国会と政府はそれぞれ独立した存在ですから、予算審議をお願いする立場の政府は真摯な姿勢で臨む必要があります。しかし、それは自分の所掌と関係のない質疑を聞くだけの場に国務大臣を座らせていることとは別物だと思います。
● 委員会の固定化
多いですね、委員会の数が。衆議院で17常任委員会と7特別委員会、参議院では17常任委員会と6特別委員会です。基本的にお役所の数と対応しているようなところがあります。関係する委員会に全部出ようとするだけで、各大臣はヘトヘトです。
例えば、外務大臣。衆議院では予算委、外務委、安保委、沖北特委、海賊テロ特委、拉致特委くらいまではほぼ確実に出なくてはなりませんし、参議院でも外交防衛委、沖北特委、拉致特委、ODA特委くらいまでは必須です。もう、これを回していくだけでも大変です。
もうちょっと、役所の壁を取り払ってやるという考え方があっていいと思います。どう整理するかは幾つか考え方があります。現行の委員会を統合していくやり方、別の区分けをしていくやり方(予算、外交防衛、公共事業・・・みたいに機能別に分ける等)、色々とあります。ともかく、大臣の負担を軽減すべきということや、国会の効率化の観点から検討すべきだと思います。
● 「日程」中心の国会
かつて、竹下総理の手帳には日程が細かくビシッと書きこまれていたそうです。日程をどう管理するかが国政の中で非常に重要だということを示唆しています。
それ自体は決して否定するものではありませんが、ともかく今の国会は「中身」よりも「日程」が重視されます。例えば、「予算」ですが、非常に雑な説明をすると「衆議院で3/1までに可決すれば、30日ルールで参議院では年度内に自動可決される。そうすれば、次年度の予算が円滑に執行される。」ということがあります。そうすると、野党としては3/1までに可決に持ち込ませないようにするわけです。予算を年度内に仕上げられなければ、政府・与党の失態ということになります。同様に、国会終盤になってくると、どの法律をどの日程で審議して押し込むかという仕分けがなされます。
その背景には「十分な審議時間を取った」という大義名分をどこまで確保するか、ということがあるわけです。それはそれで分かるわけですが、ともかく「日程」から審議を逆算するというのは、本来の姿あるべき姿ではありません。
解決方法はあまり思い付きませんけども、通年国会にしてしまい、日程バトルの負担を下げるというのは一案です。
どれもこれも新味はない話ばかりで識者があちこちで書いている話ですが、改めて実感します。そして、その背後にはすべて日本社会における「ホンネとタテマエ」があります。国会は非常にタテマエを大事にするところです。タテマエ論でケチが付くと、物事が止まるということがよくあります。国民各位はそれをどう見ているだろうか。いつも、そう思います。
まあ、こうやって書くと、「民主党が野党の時にもそういうことがあっただろ?」というお叱りを受けるかもしれません。その通りです。だからこそ、国の力をマックスで出すために今、長く与党をやっていた現野党と分かりあえるような気が・・・、難しいですかね、やっぱり。