治大国若烹小鮮
韓国を逃すな!
韓国の伸張が著しいと言われています。10年前くらいは外貨危機でIMFが入って、相当に屈辱的な結果になったことを思うと、隔世の感があります。韓国で「I'M Fired(私は解雇された)」とIMFをもじった方がプラカードを立てて、デモをやっていたのを思い出します。
ところで、韓国は結構多くの国際的なフォーラムで「途上国扱い」になっていますね。私は、日本の国際戦略の一つとして「韓国を先進国扱いに持ち上げる」ということをやっていいと思います。
例えば、WTOですが、農業交渉で韓国は途上国扱いです。グルーピングでも途上国側に逃げようとします。コメの市場開放について言えば、韓国は完全に途上国のスキームに入っています。これは、1993年当時当時の金泳三大統領が相当に東奔西走して、「日本よりも有利な条件を勝ち取る」ことを目標にハイレベル交渉をやっていました。結果として、コメの市場開放(をしないこと)については2つの異なるスキームが出来て、日本は先進国の枠で、韓国は途上国の枠で、アクセスの枠を決定しました。当時、韓国がOECD加盟を実現した頃でしたので、OECD加盟国なのに途上国扱いかという論点がありました(まあ、トルコは古くからのOECD加盟国ですけどね)。その後日本はスキームを乗り換えたため、今は韓国と日本を直接比較することは出来ませんが、それでも相当に韓国が有利な条件を勝ち取ったことは事実であり、それが今でも残っています。
こういうところでの韓国の交渉戦略は明らかです。それは「頭を低くすること」です。目立たないこと、そして、これまで途上国として勝ち取ってきた条件をそーっと継続させること、これに尽きます。本当にこういうところでの韓国はとても静かです。
あとは有名な気候変動枠組条約ですね。あれも韓国は制限の掛からない方に入り込んでいます。まあ、途上国枠と言っていいでしょう。しかし、今、日本の鉄鋼産業、電子機械産業は韓国と競い合っています。我が町でも新日鐵はポスコと激しい競争をやっています。しかし、これで日本だけが25%をやろうものなら、日本の鉄鋼産業は(削減義務のない)ポスコにコテンパンにやられるでしょう。であるが故に、韓国のCOP15での立ち振る舞いはとても静かでした。下手に発言でもして、「あ、あそこに先進国紛いの国がいた!」と指さされてはたまらんわけです。
韓国は今、実質的に先進国であるにもかかわらず、「途上国カード」をかなり上手く使います。それはもっと広く言えば、世界全体で「先進国と途上国」という区分が過去40年くらい、殆ど動いていないのです。その間に世界の構図は変わってしまいました。韓国という切り口から、今、日本の外交戦略として「実質的な先進国は、すべての国際フォーラムでそれ相応の義務を背負ってもらうことにしようじゃないか」という問いかけをしても良いと思うんですね。
別に私は親韓でも嫌韓でもありません。単に日本の国益を考えた時に、韓国がこのままでは日本がムチャクチャ損をするので、その見直しをしようということだけです。