治大国若烹小鮮
連帯保証人(続き)
かつても何度か「連帯保証人」について書いたことがあります。そうしたら、昨年、亀井大臣が「連帯保証人制度の廃止」みたいなものを打ち上げていたので、「おやっ」と思ったことがあったのです。
そもそもの問題意識は「自殺」からスタートしています。日本の自殺で多いのは、健康問題と経済問題です。経済問題の原因としては、やはりこの連帯保証人というのがあるような気がするのですね。「死んでカネを返す」という発想そのものが起きなくなるような制度設計というのはあり得ないのだろうか、そんなことを常々思っているわけです。
株式会社というのは有限責任ですね。しかし、代表取締役の本人連帯が入ってくれば、それは無限責任でして、そうであれば会社携帯を合名会社にでもすればいいわけです。ただ、やはり色々と聞いてみると、日本の中小企業文化というのは、会社社長の個人と会社そのものを切り離すことが非常に難しいところがあり、ここで連帯保証人制度を撤廃してしまうと一種のモラルハザードが起きるという指摘もあるわけです。
青臭い議論をするならば、金融機関というのはリスクを判断するのが仕事なわけでして、連帯保証人を取って、限りなくリスクを低減しないと貸さないというのは、金融機関の能力が低いと見ることも出来ます。逆にリスクをモロに金利に反映させると、正にクレサラ並みの利率にまで跳ね上がってしまい、中小企業金融の逆に滞ってしまうということも考えなくてはなりません。
まあ、行政としては、できるだけ担保(特に不動産)や保証に頼らない融資制度を指向しようとしているようで、その中には動産をベースに融資をするABL(asset-based lending)の推進みたいなものがあります。分かりやすいのが、農林水産省で推進している牛を担保に融資をするようなものでしょう。それはそれで分かるのですが、それで問題が解決することはありません。
非常にザクッと考えてみると、なかなかすぐに連帯保証人の撤廃というところまで持って行くのは難しそうです。司法書士の方と話をしていても、「そんなことしたら、中小企業がバタバタと潰れていきますよ」ということのようです。ただ、連帯保証による不幸を防止するために何かできることはないかということを考えています。
あり得るのは、連帯保証人制度に伴う環境整備をガッチリと行うことです。今、連帯保証について掛かっている制限は「包括根保証の禁止」です。これは何かというと、期限や金額が明確化されないままエンドレスに返済義務が生じるような契約はダメだということでして、これは2004年の民法改正で導入されました。逆に言えば、2004年までは連帯保証については特別の規定はなく、民法の一般的な規定にのみ依拠する「ほぼ何でもあり」の制度だったということです。
契約内容について説明責任を厳格に求めるとか、情報提供の義務を厳格に課す、力関係をベースに半ば押しつけられたような連帯保証契約は無効・・・、そういったことであれば、普通にやれるのだと思うのですね。今は民法の一般的な規定で、錯誤、詐欺といったものがないと無効や取消にはなりません。それはちょっとハードルが高いので、特別の規定を設けることが出来ないものか、そんなふうに考えています。
この件はしっかりと勉強して、すぐには結実しないかもしれませんが声を上げ続けたいと思っています。