おがた林太郎個人ブログ

治大国若烹小鮮

多分、もう無理

 以前、こういう記事 を書きました。イランはどうせ核開発の関連で渋々と譲歩してくる、その結果、制裁へのモメンタムは失われる、みたいな感じの内容でした。


 結果として見てみれば、ブラジルのルーラ大統領が訪イランして、トルコのエルドアン首相まで呼びつけて、低濃縮ウランの一部(1.2トン)の再処理を国外でやることを確約させました。これがどの程度意味のある合意なのかは分かりませんが、ともかくこの合意にブラジルとトルコはコミットしているということが重要なのです。結果としては、途上国の大半はこの合意にコミットするでしょう。そうすれば、安保理制裁は事実上成立がかなり困難になります。


 まあ、私はよく読みを外すのですが今回は結構自信がありました。イラン人に2年半仕事で接した感覚があったので、何となく「嫌々ながらの譲歩」があるだろうなというのは予想が出来ました。実は国会内でもこの点については意見が分かれていて、ある外交通の議員は「絶対に対イラン制裁で危機的な局面が来る」と話しており、私とは意見が異なりました。まだ、アメリカは大量破壊兵器関連の物資についての禁輸措置みたいなことで安保理制裁自体を成立させることにご執心ですが、まあ、これとて相当にハードルが高いでしょう。私は国連安保理制裁は無理だと思っています。


 そうすると、アメリカは有志連合でのキツい制裁を求めてくるでしょう。さて、日本は今、普天間等でアメリカとの関係が微妙ですので、ここのハンドリングを間違えるととんでもないことになります。ここで重要になるのが欧州の動きです。欧州、特にドイツあたりが有志連合制裁に積極的であるのかどうかによって、相当に対応が変わってきます。私は欧州は有志連合制裁にあまり積極的でない可能性が高いとみています。理由を聞かれると難しいのですが、安保理で無理だった、途上国が乗り気でない、という条件の中、欧州諸国が諸手を挙げて乗ってくるとは思えないのですね。勿論、ロシア、中国はこんな有志連合制裁には応じてきません。


 だからこそ、「アメリカを除くP4+ドイツが前向きでない中、有志連合制裁と言ってもどうせ大した内容にはならないし、底が抜けた内容になる」とたかを括った上で、日本は有志連合制裁に表向き賛成した上でアメリカに恩を売るというのが最善の選択のような気がします。もっと上手くやるためには、そのあたりのホンネまでイラン側と裏で調整できれば満点です。それくらいのズルさが日本外交にはもっと必要だと思います。


 与党議員ですけども、政権内の議論を知らないので好き勝手に書きました。政府の方針とは違うことを書いていると思います。あと、このブログでは「自慢」はしないようにしているのですが、今日だけはちょっと自慢めいた話になりました。予めお詫び申し上げます。