おがた林太郎個人ブログ

治大国若烹小鮮

バイオ燃料はエコ扱い?

 バイオ燃料について、私は元々相当な懐疑派に属していて、アメリカのトウモロコシ、ブラジルのさとうきびなどでバイオ燃料を作って、それを自動車燃料等に使えばエコだみたいな議論には到底賛成できません。アマゾンの森を開拓して、バイオ燃料用のさとうきびを作るに至ってはどう考えても、排出二酸化炭素量としては増加のはずです。そういう意味で、私は日本の農業団体の中にバイオ燃料への期待感があることについては「ちょっと違うんじゃないかね」という感じを有しています。


 「食用作物でなければ、競合が生じないのでOKではないか?」といった話もあります。日本で言えば例えば菜種、外国で言うと東南アジアで採れるヤトロファという作物なんかがそれに当たります。特にヤトロファについては、石油メジャーを始めとする内外の企業が相当に目を付けているようです。ただ、それとて農地という意味ではトレードオフの関係があるので、非食用作物でのバイオ燃料についても相当厳しい目で見ていきたいと思っています。


 ただ、そんな中でも廃食油を回収、精製してバイオ燃料として使うなんてのは、直感的に「まあ、いいのかな」という感じがしています。ということで、あれこれと勉強してみたのですが、変な事実に気が付きました。


 というのも、「バイオ燃料を軽油として混ぜて使うと、バイオ燃料分にも軽油取引税がかかる」ということです。バイオ燃料100%で使えば軽油取引税はかからないのですが、混ぜた瞬間から(性状、用途にとって違いはあるものの)行政の承認が必要になり課税対象になるのです。普通、軽油取引税というのは軽油に課税されるものだと思うのですが、この場合は軽油でないバイオ燃料にも課税になるのです。廃食油の精製などはやり方次第ではコストを抑えられるのですが、これが軽油と同等課税だと普及しにくいですよね。これがバイオ燃料の普及を妨げる一因になっているわけです。


 まあ、これは不正軽油防止のための措置の一環ではあるのです。軽油には、例えば性状の似ている(軽油取引税が課されない)A重油、灯油を混ぜて売られるケースがあり、これが脱税になっているのですね。品質が下がり、エンジンを傷めることも踏まえれば、本来、こういう不正軽油は厳しく取り締まられるべきですが、「何とか走る」ということで不正軽油が結構広がっている現実があります。


 その一環として、バイオ燃料についても軽油との混合については軽油取引税の課税がなされています。理屈としては分かるわけですけど、エコロジーを推奨する良いツールのはずなんですよね。こういうところで、グリーンな課税体系というものを考えることは日本にとって重要なことですので、このテーマは自分自身の課題として取り組んでみたいと思っています。