おがた林太郎個人ブログ

治大国若烹小鮮

議員外交

 議員外交、外務省時代は非常に否定的でした。不勉強な議員が面白半分で好き勝手なことを言っていくだけで、物事の進展に何ら有益な結果をもたらさないと思っていました。多分、議員外交について、外務省の大半の人はそう思っているでしょう。


 議員外交が有益な効果をもたらしたことは、日本の政治上、稀だと思います。日中国交正常化みたいなケースでは、国交がなかったことで、政府が果たすことができない役割を議員が果たしたということはありました。しかしながら、総じて現場にいる人間は議員外交の名の下でやられる行為を「邪魔」、「迷惑」だと感じているはずです。むしろ、外国の公館勤務時に便宜供与でバカバカしいことをやらされたことのトラウマを抱えている人も多いはずです。


 そういう意識がある中、先日、東京でアメリカの高官とイランの高官と話す機会がありました。折角の機会ですし、私からそれぞれこんな感じのことを言いました。


(対アメリカ)

アメリカは普天間基地の移転について強気で押してきているが、既にパンドラの箱は開いていて、具体的かつ有益な進展がすぐに見込めるとは到底思えない。国内的にもそんな環境にはない。正直なところ、沖縄については負担軽減について、アメリカ側から何らかの具体的なタマ(動き)が欲しいと、日本の当局者なら誰でも思っているはず。それが訓練の移転であろうと、何であろうと、ともかく対沖縄で売れるタマがないのに、普天間基地の県内移転について進展だけを求められてもそれは非現実的だと言わざるを得ない。


(対イラン)

(1) イランは、原子力の平和的利用について日本みたいになりたいと言っているが、それは日本の長年の情報開示努力を無視する発言。現在の日本のようになりたいということであれば、日本はそこに辿り着くための努力のプロセスをすべて教えてあげるから、その通りやってほしい。

(2) アメリカ筋からは「イランがタリバーンの庇護をしている」みたいな情報が出てきている。すぐには信じがたい情報だが、もしかしたら、イラン政府は直接関与していなくても、バシジ(民兵組織)、被抑圧者財団(保守系財団)等の関与がある可能性もある。イメージは悪いので止めといた方が良い。


 どういう答えが返ってきたのかは、相手もあるので書きませんが、まあ、こういう「役所が言いにくいことを言う」のが我々の役目なんだろうと思います。そこに価値を見いだせるような議員外交であれば、少しくらいは役に立つのでしょう。


 基本的には「無駄」で「邪魔」な議員外交。だからこそ、付加価値を付けていく努力がなければ、いずれは仕分けの対象になるものです。そのあたりは、肝に銘じたいと思っています。