おがた林太郎個人ブログ

治大国若烹小鮮

ペンサコーラ(続き)

 ちょっと幾つか補足しておきます。完全に私の備忘録です。


● 軍関係

 このペンサコーラ、地域経済の30%くらいは軍関係に依存しているということでした。この手の経済効果というのはどの程度正しいのかが検証しにくいところがあって、軍関係者曰くは「軍の存在は直接的には年14億ドル、波及効果もすべて入れると年70億ドルから100億ドルの経済効果がある。」ということでしたが、まあ、そうなのかもしれないし、そうでないかもしれないといったところです。ただ、海軍基地で23000人、空軍基地で12000人程度ということですから、雇用としてはたしかに大きな部分を占めているでしょう。


● ゲリマンダー

 地域の方と話していたら、「うちもゲリマンダーがひどい。郡レベルで提訴中。」といったお話がありました。カリフォルニアでも似たような話がありました。アメリカの政治というのは、結構露骨な介入と我田引水が多いのだなと改めて思いましたね。日本でゲリマンダー的な要素のある小選挙区がないわけではありませんが、最低限の形は維持しながらやっていますからね。


● 炊き出し

 メソジスト教会による、お腹がすいている方への炊き出しに参加しました。生活保護者に相当する方は、大体月500-600ドルと食事クーポンを貰っているけども、それでは足らないということで宗教系の団体が炊き出しをやっていました。月木の週2回だそうです。ホームレスの方は少ないとのことで、単に「お腹がすいている方」ということでした。さすがに宗教的な信念に基づいた炊き出しでしたので、「誰でも来た方には給仕する」と言っておられました。

 あれって行政側から見ると、どう見えているんだろうかと気になりました。日本だと「そういうことをすると、うちの街に困窮した方が集中してきて、結果として生活保護負担が重くなるから止めてくれ。」くらいのことは行政が言いそうな気もします。

 ちなみに食事はとてもよかったです。「うーん、僕がペンサコーラ市民なら昼飯代わりに来るかも」・・・とは思いませんでしたけど、そういう衝動が起きてもおかしくないくらいおいしそうでした。


● ペンサコーラ市議会

 ペンサコーラ市は5万人強の街で、市議会は選挙区制で7名、市全体を1選挙区とする選出で2名で計9名でした。多分、専従ではなくて別に仕事を持っていると思います。月2回の会議。給与は年13000ドル。市長は市議会の採決で投票権を有さず(ただし、市長の権限は大きい)。

 市議会はどちらかとタウンミーティングみたいな場所でして、壇上に市議会議員が並び、会場側に市民が座るということです。市民は誰でも事前登録をすれば4分の発言時間を貰えて、色々な思いを市議会議員にぶつけていいそうです。

 なお、応対していただいたペンサコーラ市議会の元議長から光栄なことに「ペンサコーラ名誉市民」の称号を頂きました。ありがたいことですね。大切にしたいと思います。ただ、同行の通訳の米国人にまで名誉市民の称号を渡していましたから、多分、簡単に出るのだと思います。


● エスカンビア郡保安官事務所(sheriff)

 フロリダでは都市部は警察、郡部(含む都市部)は保安官が管轄します。なので、エスカンビア郡にあるペンサコーラ市内では警察と保安官の権限が重複します。重複して変じゃないのかと思ったのですが、説明は「市では人口1000人に対して警察官2.7人、郡部では人口1000人に対して1.4人。市内の人間は市税と郡税を払っている。郡部の人間は郡税だけだ。だから、市の人間の方が警察と保安官事務所双方から手厚く面倒を見てもらえるのは当然。」というものでした。納得したわけではありませんが、そういう理屈だということはテークノートしました。

 ちなみに保安官は公選でして、そろそろ選挙が近いらしく、「Re-elect Sheriff Morgan」というポスター、パネルを結構見ました。こういう法執行機関の長を選挙するというのは日本の感性にはありませんが、テキサスなんかではもっと広く法執行機関の長が選挙の洗礼を受けるそうです。

 保安官の下に8000万ドルの年間予算と1200人のスタッフが居て、結構な陣容でありました。保安官は選挙に際して、目標を掲げ、それによって選ばれたら自分の思う方向に治安行政を導いていくということで、政治的な動きに左右されないのかな、政治的思惑で治安行政が動くことへの懸念はないのか、なんてことが気になりました。ただ、今の保安官はDVを原因とする殺人、ギャング問題、街中での犯罪(ドラッグ)あたりに積極的に取り組み、これまで成果を上げてきているようでした。


 まあ、こんなところです。後日、写真はアップします。ペンサコーラの後は首都ワシントンDCです。